恋愛零度。
だけど中学になると、帰る時間もバラバラで、それぞれ部活も始まって、学校でも、川原でも、会えることがどんどん少なくなっていった。
私が中学1年のとき、奏多とお姉ちゃんは受験生で、奏多はついにマロンの散歩にもあまり行かなくなった。
でも、私にとって、奏多はいつまでも昔の奏多のままだった。
だけど、夏休みに入る前のある日ーー
『奏多くん。好きです』
学校で、偶然、見てしまった。奏多が知らない女の子に告白されているところを。
私はとっさに壁に隠れた。
なんで滅多に会わないのに、よりによってこんな場面に出くわしちゃうんだろう、なんて思いながら……。