恋愛零度。

その年の夏休み、私は奏多に一度も会わなかった。

私はなんとなく、川原に行かなくなった。前とおなじように、奏多と話せる気がしなかった。

私から、奏多を避けたんだ。

小学校のときは、毎日のように奏多とマロンと遊んでいたのに。

中学になると、なにかが変わっちゃうのかな。

私も、奏多も、お姉ちゃんも、みんな、少しずつ変わっていく。

どんなに成長を止めたくても、自分ではどうすることもできないんだ。

夏休みが明けると、奏多はときどき学校を休むようになった。

なにかあったのかな。

訊きたいけれど、前みたいに、気軽になんでも話しかけることができなくなった。

苦しくて、どうしてこんな気持ちになるのかわからなくて、私はもっと奏多を避けるようになった。

ーー卒業したら、告白するつもり。

奏多が卒業したら、なにかが変わるのかな。

それとも、彼女ができて、もっと遠い存在になっちゃうのかな。