【短】回覧板~小さな繋がり~
あーあ。
バカみたい。
大体、高3の祐君が中3のあたしなんか相手にする訳無いじゃん。
たったあんだけの会話であたしのこと…とか、ありえないのに。
好きになってもらえなくても、あの頃みたいに仲良くなれたら良かったな…。
そんなことを思って顔を上げると、
祐君と目があった。
バッと見開き、かすかに『あっ』って声が聞こえた気がした。
泣いてるの、見られたくないっ!
そう思って玄関に駆け込んだ。
―――ぱたん。
はぁ……。
祐君、なんであんなビックリしてたのかな?
あ。やっぱそういうとこ見られたくないよね。
特に、小さいころから知ってるあたしとかには。
あたしだって、できれば見たくなかったな。
瞳からはまだぽたぽたと涙が落ちる。
今日、お母さん帰り遅くなるって言ってたっけ?
翔も『久しぶりに部活顔出す』とか言ってたな。
…良かった。
泣いてるとこは見られたくないよ。
ふぅ…。
そのまま玄関にうずくまって泣いた。