【短】回覧板~小さな繋がり~
「なんでってこっち見て泣いてるし。なんかあった?」
「……失恋。」
「は?」
『は?』じゃない…!
祐君のせいで泣いてるんだもん。
失恋、したんだもん。
訳の分からない怒りが込み上げてきた。
「もぅ…出てってよっ!!
あんなの、見たくなかったの!!」
これはきっと、寂しさからの八つ当たり……。
あたし、最低…っ。
「祐君のラブシーン?なんて見たくなかったのっ!!」
「ちょ、美鈴?おちつ…」
「落ち着ける訳ないじゃんっ!!」
ダメだ。
もう完全に口が言うこと聞かない。
とまらない。
「なんでっ!?
なんで家の前で好きな人が彼女と話してるとこ見なきゃダメなのっ!?」
…って、あたし。
何でこの状況てコクってんの…。
ばか。
ホントにあり得ない。
驚いた祐君の顔を見てまた涙が落ちた。
―――がばっ!!
「っふ…!?」
…!?……