溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
初めて参加した同窓会は予想外に楽しかったが、優花はこれで満足だった。片瀬がほかの女子たちと楽しそうに話すところも、できればあまり見たくない。
「そんなこと言わずに行こうぜ。せっかく十年ぶりに会ったんだから」
「ごめん、また今度にさせてもらえる?」
「それじゃ、俺とふたりだけの二次会ってのは?」
「……え?」
それはいったいどういう意味なのかと優花が首を傾げると、滝口は「いや、実はさ」と照れたように鼻の下をこすりながら続ける。
「俺、高校生のとき、宮岡さんのことが好きだったんだよね」
思いがけない滝口の告白が、優花を黙らせる。
いるのかいないのかわからないような存在だった自分を見てくれていた人が、片瀬のほかにもいたとは。
優花が目をぱちつかせて固まっていると、滝口は不意に優花の手を掴んだ。
「ね、だから行こう」
「えっ、ちょっと待って」