溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
自覚があるため優花は心配になったが、片瀬を退屈させるよりはずっといい。
「もしかしてワインのおかげ? もっと飲めるならグラスワインを頼むけど?」
「……それじゃ、お願いしちゃおうかな」
つい気を良くして調子に乗ってしまった。
ほどなくして運ばれてきたワインに遠慮なく口をつける。
「おいしい」
顔を綻ばせつつ、優花は上気する頬に手をあてる。心なしか頭がボーッとしてきた気がしなくもない。身体がふんわりと軽くなった感じだ。
「優花は結構イケるくちなんだね」
「強くはないけど、嫌いじゃないよ」
ニコニコしながら優花が答えると、片瀬も同じように笑う。
「でも、ごめんね。片瀬くんは飲めないのに」
自分ひとりだけほろ酔い気分になり、優花は片瀬に急に申し訳なくなる。