溺甘同棲~イジワル社長は過保護な愛を抑えられません~
「俺のことは気にしないで、好きなだけ飲むといいよ。今夜は優花の再就職祝いなんだから」
「ありがとう」
片瀬に優しい言葉をかけてもらい、優花の胸が温かくなる。
そうして過ぎていく楽しい時間が、優花にアルコールの限界点を忘れさせていく。さらにピッチが上がり、気分も高揚してくる。
口数も多くなっていき、頭で考えるより先に口が勝手に動いているような感覚だった。
ただ楽しくて、ちょっとしたことで笑いが込み上げる。こんなふうにして誰かとお酒を飲んだ経験が、優花になかったせいもあるだろう。
片瀬が笑えばうれしくて、もっと楽しませたいと思う優花がいた。