愛しいのは君だけ

その男性の姿を見、顔へと視線を向けた瞬間無表情が驚きに変わった。


「お前、ヴィンスか?!」

「……っグラン、ス?何故、君が……」

どうやらこの2人はお互い知り合いらしい。


「やっぱり、ヴィンスじゃねぇか。こんな所で一体何してたんだ。てか、大丈夫か」

駆け寄ってきた男は壁に凭れ掛かる男性を支えて自分の方へと引き寄せた。


「この香り、一体何……。何故か急に、力が抜けて」

「あー、悪ぃ。詳しく説明してる暇はねぇんだ。.......はぁ、仕方ねぇ。まずお前の屋敷に行くか」

男は肩を竦め、少女を抱き抱えた女を呼ぶと男性を連れて"屋敷"へと向かった。









_____________先程、少女に襲いかかった男の姿は跡形も無く消えていた。
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