クラスメイトの告白。
「いいよ、入ってきて」
伊原くんの言葉で、テントの中にムーンライトのほかのメンバーとマネージャーさんらしき人が入ってきた。
ほ、本物だ……!!
私は背筋をピンと伸ばし、食べているものを一気に飲みこむと、彼らに向かってお辞儀をした。
「イベントの司会をさせていただきます、汐野風杏です」
緊張で手足が震えるけど、挨拶は大きな声できちんとしようと思った。
「今日はうちの高校に来てくださってありがとうございます。よろしくお願いしますっ!」
「こちらこそ、よろしくお願いします~」
全員に一斉に頭を下げられ、私はおどおどしながら、もう一度頭を下げた。
「スペシャルライブ、楽しみにしてます」
そう言って私は、テントの中から出た。
「ふぅ~緊張した」
胸に手をあて、大きく息を吐きだした。