クラスメイトの告白。
外では、スタッフの方々がワゴン車から機材を運びだしていた。
体育館で行われるライブの準備がはじまった。
「文化祭、大盛況だな」
肩に手をおかれて横を見ると、隣に伊原くんが立っていた。
「風杏は仕事サボって、テントで休みながらたくさん食ってたけど」
「もぉ~! ちょっと休憩してただけだもん。朝から忙しかったよ」
「冗談だよ。風杏はサボるようなやつじゃないって、俺がよ~く知ってる」
そう言ってニコッと笑う伊原くんは、にくたらしいほどかわいい。
「それよりムーンライトのオーラすごいね。さすがだわ。私と同じ高校生には見えない」
「俺も?」
「うん。なんかキラキラ輝いてる」
「うそつくなよ」
「本当だもん」
もう二度と、変装したクラスメイトの伊原くんは見られないんだね。
本当の姿で、キラキラと輝いた世界に戻るんだ。