お兄ちゃん系男子は我慢の限界。



バッと勢いよく顔を上げた夏海の瞳が、驚きで大きく見開かれている。


そしてみるみるうちに、顔が茹で蛸のように真っ赤になった。


「そ、んな…どうしちゃったの、急に。私たち、幼なじみ…でしょ?お兄ちゃん」


「俺は…夏海のこと妹なんて思ったことない。

ずっと女として好きだった」


「…っ!」



夏海が息をのむ。


そして、



「バカーッ!」



俺に近くにあったクッションを思いきり投げつけてきた。



「ぉわっ!なんだよ!」


「急にす、好きとか言われても…意味わかんないしっ!もう!出てって!」


「…っわかったよ出てくよ!でも!」




次のクッション砲を放とうとしていた夏海の細い手首をつかむ。



「逃げんな夏海。俺のことお前も、お兄ちゃんじゃなくて男として考えて」


< 12 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop