お兄ちゃん系男子は我慢の限界。
バッと勢いよく顔を上げた夏海の瞳が、驚きで大きく見開かれている。
そしてみるみるうちに、顔が茹で蛸のように真っ赤になった。
「そ、んな…どうしちゃったの、急に。私たち、幼なじみ…でしょ?お兄ちゃん」
「俺は…夏海のこと妹なんて思ったことない。
ずっと女として好きだった」
「…っ!」
夏海が息をのむ。
そして、
「バカーッ!」
俺に近くにあったクッションを思いきり投げつけてきた。
「ぉわっ!なんだよ!」
「急にす、好きとか言われても…意味わかんないしっ!もう!出てって!」
「…っわかったよ出てくよ!でも!」
次のクッション砲を放とうとしていた夏海の細い手首をつかむ。
「逃げんな夏海。俺のことお前も、お兄ちゃんじゃなくて男として考えて」