スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】
「事故の後、しばらくは本当に俺も満もわかんなくなってたかもしれないけど、時間が経って落ち着いてきた時に、友香にも同調圧力が働いたんだろうって。なんか変だなって思う所があっても、周りが俺を満扱いしてるから、違和感を言い出せなかったんじゃないかって。
で、病院でそういうの拾えたら良かったんだろうけど、友香、主治医の医者苦手だったみたいで、あんまり話出来てなかったんだって。歳が近い研修医とはぼちぼち話してたみたいなんだけど、研修医は割とすぐ変わるから、友香の微妙な変化を病院でも見逃してしまったのかもって。
千紗も俺も受験続いたし、年齢の齟齬を感じやすかっただろうから、その辺も色々全部重なって、周りにも医者にも信頼感なくなっちゃった……のかもねーっておっさんが言ってたらしい」
言葉を切った湊は、テーブルの上に置いてあったカップを手に取ると、残っていた氷が溶けて薄くなってしまったコーヒーを1口飲む。そして、深刻そうな表情からスイッチを切り替えたように笑った。