クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
彼に嘘をついたり誤魔化したりすることはできない。アンナは睫毛を伏せるとソフィアに言われた“枷”のことを話した。
アンナが話している途中で雨が降り始めた。ここ最近では珍しい雨だ。初めは小雨だったが次第に雨脚が強まり、小屋の小さな窓に雨が打ちつけられる。
「ソフィア様の言っていた枷の意味、初めはなんのことだかさっぱりわからなかったんですけど、トルシアンにずっと来てくれたいたのが実はジーク様だったと知って……ひょっとして何か関係があるんじゃないかって思いました。だから――」
「関係などない。そもそも、枷なんてものもない」
ジークはアンナに言葉を重ねる。しかし、その表情は固く、笑顔はない。
「最後にトルシアンに訪れたあの日、私は己の不注意で右腕を負傷していた。その時にうっかり左手で勘定をしてしまったが……。お前がその髪飾りに記されている紋章の存在に気がついているのならば、私の素性も割れてしまったのではないかと、あのときは焦った」
ローランド夫妻から贈られた髪飾りには確かに小さな紋章が刻まれていた。ボブロは商標だといって誤魔化していたが、それをなぜジークが知っているのかとアンナはハッとした。
アンナが話している途中で雨が降り始めた。ここ最近では珍しい雨だ。初めは小雨だったが次第に雨脚が強まり、小屋の小さな窓に雨が打ちつけられる。
「ソフィア様の言っていた枷の意味、初めはなんのことだかさっぱりわからなかったんですけど、トルシアンにずっと来てくれたいたのが実はジーク様だったと知って……ひょっとして何か関係があるんじゃないかって思いました。だから――」
「関係などない。そもそも、枷なんてものもない」
ジークはアンナに言葉を重ねる。しかし、その表情は固く、笑顔はない。
「最後にトルシアンに訪れたあの日、私は己の不注意で右腕を負傷していた。その時にうっかり左手で勘定をしてしまったが……。お前がその髪飾りに記されている紋章の存在に気がついているのならば、私の素性も割れてしまったのではないかと、あのときは焦った」
ローランド夫妻から贈られた髪飾りには確かに小さな紋章が刻まれていた。ボブロは商標だといって誤魔化していたが、それをなぜジークが知っているのかとアンナはハッとした。