クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
ふと、ベアトリクスのことを考える。アンナは彼女のことをなにひとつ知らない。
ベアトリクスはジークの命を救った父、コンラッドを憎んで殺害した。それだけでは飽き足らず、その娘である自分をも狙っているかもしれない……そう思うと、アンナはぶるりと身体を震わせた。
(嫌なことを考えるのはやめよう。料理が冷めないうちに早くジーク様帰ってこないかしら……)
アンナは不穏な思考を振り払い、気持ちを落ち着かせるため一冊の本を棚から取り出した。
呑気な考えかもしれないが、ジークと時間をともにすることで薬学の勉強を教えてもらえる機会が増えた。
ここにある書物は国中探しても見つけることはできない希少価値の高いものばかりだった。ジークの部屋の居間に保管されているすべての本は、アンナの興味を一番に引いた。どれでも好きなものを読んでいいと言われ、難しいのは重々承知していたが中でもひと際分厚く、革に金箔が施された豪華な装丁の本を手に取って開いてみた。しかし。
ベアトリクスはジークの命を救った父、コンラッドを憎んで殺害した。それだけでは飽き足らず、その娘である自分をも狙っているかもしれない……そう思うと、アンナはぶるりと身体を震わせた。
(嫌なことを考えるのはやめよう。料理が冷めないうちに早くジーク様帰ってこないかしら……)
アンナは不穏な思考を振り払い、気持ちを落ち着かせるため一冊の本を棚から取り出した。
呑気な考えかもしれないが、ジークと時間をともにすることで薬学の勉強を教えてもらえる機会が増えた。
ここにある書物は国中探しても見つけることはできない希少価値の高いものばかりだった。ジークの部屋の居間に保管されているすべての本は、アンナの興味を一番に引いた。どれでも好きなものを読んでいいと言われ、難しいのは重々承知していたが中でもひと際分厚く、革に金箔が施された豪華な装丁の本を手に取って開いてみた。しかし。