クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
「わぁ、クッキーですね! 美味しそう」

ふわりと甘く、香ばしい香りが広がってアンナは深呼吸するように胸いっぱい吸い込んだ。

「そんなに喜ぶとは。このくらいのもの、お前だって簡単に作れるだろう?」

「ジーク様がわざわざ私のために買ってきてくれたのが嬉しいんです」

にこりとすると、ジークはそっと優しくアンナを抱き寄せ、額に短く口づけた。ぎゅっと腕に力をこめ、それはまるでアンナの存在を身体全体で感じているかのようだった。

「ジーク様……?」

「本当は、こうしてお前の笑顔を毎日見られることに安堵している。部屋のドアの前で、もしお前がいなかったら……と思うと、部屋を開けるのを躊躇ってしまう。まったく、情けないことだが……」

そう言ってジークは薄っすらと苦笑いを浮かべた。

この温かな腕に抱きしめられると身体も自然に癒され、それをもっと味わいたくてアンナは猫のように額をジークの胸に擦りつけた。

「私も、ジーク様が無事に部屋に戻ってくると安心します。どこかで怪我をしていないか、誰かに襲われたりしていないか……心配で」

「私はそう簡単にやられたりしない。安心しろ」

ゆっくりと顔をあげると、ジークの優しい瞳が細められる。
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