クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
「開けて!」
ドアノブを回すがびくともしない。何度もドアを叩いても反応はなかった。
(私、閉じ込められてしまったの?)
はやり自分の感じた予感を信じておけばよかった。リデルが先ほど吠えていたのは、彼女の優れた嗅覚がより早くなにかを察知したからだったのだ。そのことに気づけなかったアンナは後悔の念に駆られ呆然となる。すると。
「ごきげんよう。あなたがアンナ・ローランド……いえ、アンナ・バンクラールね?」
背後から女性の声がしてハッとする。優しく、気品のある声音だったが自分の封印していた名前を呼ばれてアンナは全身を強張らせた。
「だ、誰……誰かいるの?」
恐る恐る振り向いて、灯りのない部屋を見渡してみるがやはり真っ暗で何も見えない。それなのに声だけ聞こえるなんて不気味だった。
「ごめんなさいね。部屋の灯りをつけると気づかれてしまうから……自己紹介がまだだったわね、私としたことが……ふふ」
怪しげに笑い、その気配が徐々に近づいて来るのがわかった。アンナはごくりと喉を鳴らし、背中にドアに押し付けた。
目に見えない何者かにすっと頬を撫でられた。今夜は天気が思わしくなく、月の光さえない。視覚以外の感覚を研ぎ澄ませると、ふわっと香が鼻腔を掠めた。
ドアノブを回すがびくともしない。何度もドアを叩いても反応はなかった。
(私、閉じ込められてしまったの?)
はやり自分の感じた予感を信じておけばよかった。リデルが先ほど吠えていたのは、彼女の優れた嗅覚がより早くなにかを察知したからだったのだ。そのことに気づけなかったアンナは後悔の念に駆られ呆然となる。すると。
「ごきげんよう。あなたがアンナ・ローランド……いえ、アンナ・バンクラールね?」
背後から女性の声がしてハッとする。優しく、気品のある声音だったが自分の封印していた名前を呼ばれてアンナは全身を強張らせた。
「だ、誰……誰かいるの?」
恐る恐る振り向いて、灯りのない部屋を見渡してみるがやはり真っ暗で何も見えない。それなのに声だけ聞こえるなんて不気味だった。
「ごめんなさいね。部屋の灯りをつけると気づかれてしまうから……自己紹介がまだだったわね、私としたことが……ふふ」
怪しげに笑い、その気配が徐々に近づいて来るのがわかった。アンナはごくりと喉を鳴らし、背中にドアに押し付けた。
目に見えない何者かにすっと頬を撫でられた。今夜は天気が思わしくなく、月の光さえない。視覚以外の感覚を研ぎ澄ませると、ふわっと香が鼻腔を掠めた。