クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
カウラの花はその昔、唄人という種族のみが開花させる術を知っているとされていて、どこかの王国で奇跡的に花が咲いたという噂を耳にしたことがある。今では生息域も広まりつつあるが、昔は年中探し回っても見つけることのできない奇跡の薬草と言われていた。そして花弁を煎じれば万能薬にもなるため、希少価値も高い。アンナは嬉々としてその花に手を伸ばしたが、ふと止める。

(一輪しか咲いてないのに採ってしまうのはやっぱりかわいそうだわ)

カウラの花を万能薬に煎じるにはある程度の技量が必要だ。それを知っていたアンナはもし失敗してしまったらこの花を無駄にしてしまうと、その花を採らずに目に焼き付けることにした。

(そうだわ、せっかくだからカウラの花を眺めながらお昼にしよう)
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