クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
「はい……」

「この部屋は誰も使っていない空き部屋だ。明日までゆっくり休むといい」

唇の端に笑みを微かに浮かべ、そう言って男は部屋を後にした。

部屋に沈黙が訪れる。ここは静かなところだ。

(いまの人、結局誰だったのかしら?)

男の残した不思議なぬくもりを感じながら、もう一度ベッドに横になると、一日中歩いていた疲れが今更のようにのしかかってきた。

青く澄んだ瞳と金の髪色が印象的で、一見おとぎ話に出てくるような王子様のようだったが……。

(名前も教えてくれなかったけど、ちょっととっつきにくそうな人だったな……)

口を開いた男の印象はそんな感じだった。目を閉じてその彼の姿を思い返しているうちに、アンナはゆっくりと睡魔に誘われて眠りについた――。
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