クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
「お前さん、サルベール講堂に通いたいそうだな。ボブロが肩を切って歩く学士を見るたびに不甲斐ないっていつも嘆いてたぞ」

「ボブロおじさんが……?」

仕事が終わり、疲れた身体で勉強するアンナの姿を見て、ボブロはいつも「なんとかしてやりてぇが……」と言っていた。それを聞いて、いつでもどこでも自分のことを考えて思ってくれていたのだ、と嬉しくもありそして切ない気持ちになった。

「ここだけの話だ」

そういうと、ウィルは耳を貸せと人差し指をクイクイと動かした。アンナが傍によると、ウィルがそっと内緒話をするかのように囁いた。

「サルベール講堂の横にでっかいクスの木があってな、登ればちょうど教壇の横にある吹き抜け窓が見えるはずだ。そこからなら中の様子がきっとわかる」

覗き見のやり方を教えてくれているのだろうか。ボブロもウィルも考え方が似ている。アンナはおかしくてついクスッと笑ってしまった。
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