クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
「ジーク様は堅苦しいことが嫌いなんだ。だから、俺らみたいな下級の庶民にも気楽に声をかけてくださるぞ。たまに様子見と言って調理場に顔を出したかと思えば、つまみ食いして行くしな。まぁ、その辺にいるツンツンした貴族なんかよりよっぽど親しみがあるってもんだ」

「そうなんですか……」

「聡明で気遣いもできて剣術にも優れていて男前だろ? でも、少し変わったところがあってな……まぁ、そのうちわかるさ」

そう言ってウィルはぽんぽんとアンナの肩を叩いた。

聡明で気遣いもできて……その言葉に間違いはないと思う。ウィルが言うように皆から慕われる国王なのだろう。しかし、アンナはほんの少し近寄りがたい雰囲気を感じていた。

(ジーク・エル・ヴェルサス様……)

アンナは心の中でその名を呟いた。
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