再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「最後にあれ乗るかー」


「えー、またぁ?」


それはここに来て初めて抱きしめられたあの乗り物。


ゆっくりと園内を一周するのはいいけれど、日も暮れかけてるし少し肌寒い。


「いーよな?」


「まあ、いいけど?」


相変わらずこの乗り物は人気がないのか、並ばずすぐに乗れた。


また後ろの席に座る。


「好きだよね、後ろ」


「いちゃついても見られないし」


「なに言ってるの?」


バシッと叩こうとしたら、発車と同時に体がぐらついた。


「懲りないやつー」


また支えてもらい、反省するのと同時に苦笑い。


「涼真くんがいるから…いつでも助けてもらえるもん」


「これからも一緒にいていいってこと?」


それは…あたしが聞きたかったこと。


この時間は幻じゃなくて、帰ってからもずっと続くの?


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