帝国レストリジア


「あの、すいません。武器変えても良いですか?」


「ああ、いいよ。」

こんなこともあろうかと持ってきていて良かった。まさかこれを使うなんて思ってなかったけど。

備えあれば憂いなし。
この言葉が役に立った。


「よいしょっと。」


「君、まさかじゃないけど、使う武器っていうのはそれかい?」


「そうですけど、ダメですか?」

あれ?武器の規定ってあった?
これが使えなくなるのは流石に痛い。


「いや、ダメじゃないんだけどね。」


「あ、そうなんですか。良かったです。」


「それ、持てるの?」


「そりゃ、持てますよ。ほら。」

中剣2本を持ち、構える。


「確かに重いですけど、持てないほどの重さでもないし、僕にとっては使いやすい型です。それにこれだと貴方の大剣にもちゃんと適用できますしね。」

あの細剣だと、試合をする前から勝敗は決まっている。その点、これはあの細剣の様にやわじゃない。




「ハハハ!!」


え、何事。


「面白い。久々に腕がなりそうだ。」

何が面白いのか笑いながら、ボキッボキッ。と肩を鳴らす。



「大陸でまだ双剣使いがいるとは知らなかった。俺も双剣の相手は初めてだから、楽しみだ。」

そう言う彼の顔は清々しい。
余程、僕との試合が楽しみなのか、笑顔が滲み出ている。

< 5 / 7 >

この作品をシェア

pagetop