帝国レストリジア
「あの、すいません。武器変えても良いですか?」
「ああ、いいよ。」
こんなこともあろうかと持ってきていて良かった。まさかこれを使うなんて思ってなかったけど。
備えあれば憂いなし。
この言葉が役に立った。
「よいしょっと。」
「君、まさかじゃないけど、使う武器っていうのはそれかい?」
「そうですけど、ダメですか?」
あれ?武器の規定ってあった?
これが使えなくなるのは流石に痛い。
「いや、ダメじゃないんだけどね。」
「あ、そうなんですか。良かったです。」
「それ、持てるの?」
「そりゃ、持てますよ。ほら。」
中剣2本を持ち、構える。
「確かに重いですけど、持てないほどの重さでもないし、僕にとっては使いやすい型です。それにこれだと貴方の大剣にもちゃんと適用できますしね。」
あの細剣だと、試合をする前から勝敗は決まっている。その点、これはあの細剣の様にやわじゃない。
「ハハハ!!」
え、何事。
「面白い。久々に腕がなりそうだ。」
何が面白いのか笑いながら、ボキッボキッ。と肩を鳴らす。
「大陸でまだ双剣使いがいるとは知らなかった。俺も双剣の相手は初めてだから、楽しみだ。」
そう言う彼の顔は清々しい。
余程、僕との試合が楽しみなのか、笑顔が滲み出ている。