最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
その時の自分を思い出しながらポツリとそんな言葉を呟けば、慧は穏やかな目で私とは反対の意見を口にした。
「俺はそうは思わないな。香澄の目がいつも俺を誘うんだ。"私を見てって"」
その言葉に、ついムッとなって言い返す。
「誘ってないよ」
私は断じて慧を誘惑なんてしていない。
「言い方が悪かったか。なんて言ったらいいんだろう。俺にはお前だけ光って見える」
私の機嫌を損ねたと思った彼が私の腰に手を回していい直した。
「ホタルじゃないんですけど」
慧の説明がピンとこなくて真顔で返すと、彼は私をなだめるように言った。
「はい、はい。まあ、そういうのを惹かれるっていうのかな」
それなら、なんとなくわかる。
私も慧に会った時に同じように感じた。
磁石のSとNがくっつくように彼にいつの間にか引き寄せられる。
一万人の男の人に出会ったとしても、私は迷わず慧を選ぶだろう。
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