最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
小走りで駅を出て、タクシー乗り場に停まっているタクシーに乗り込む。
「東雲医院までお願いします」
運転手にそう告げると、車は静かに発進した。
チラリと腕時計を見れば、時刻は午後一時半過ぎ。
父の手術はもう終わったのだろうか?
事故に遭ったのはいつなのだろう?
昨日の夜?それとも今朝?
兄も慌てている様子だったし、私も気が動転してて、詳細は聞けなかったな。
お母さん、お父さんを守って。
車の窓から見える景色をじっと見つめながら祈る。
私……お父さんにまだ何も言ってない。
もっと自分から心を開いて、父と兄に接していれば、私達家族はもっと強い絆で結ばれていたかもしれない。
笑い合って、お互い支え合って生きていたかもしれない。
自分が生まれた状況や、環境のせいにして、私はずっと心を閉ざし、家族から逃げていた。
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