最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
反射的にドアに目を向ければ、そこに紺のスーツ姿の慧がいた。
手には綺麗にラッピングされたピンクの包みを持っている。
え?ええ〜?
目を見開いて驚く私を楽しそうに眺め、慧はスマホをポケットにしまうと、カツン、カツンと靴音を立てながらゆっくりと私の方にやって来た。
これは……夢?
睡眠不足で、頭がおかしくなってしまったのだろうか?
今、目に映っているものが幻に見えた。
「……本物?」
あまりに驚いてそんな言葉を思わず口にしたら、彼はおかしそうに笑った。
「本物だよ」
そう答えて、彼は手を伸ばして私の頬に触れる。
トクンと跳ねる私の心臓。
それは、私がよく知っている彼の手だった。
大きくて少し骨張っていて……でも、とても温かな手。
「……どうしてここに?」
まだ半信半疑で慧を見つめれば、彼はフッと微笑した。
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