最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
「放っておいたら、誤解したまま俺の前から勝手に消えそうな気がしたから」
『消えそう』というフレーズが何か引っかかった。
普通なら"いなくなりそう"って言いそうなのに、彼は私が昔会ったお兄さんと似たようなことを言う。
偶然だろうか?
「まだわからない?俺の命令忘れた?」
慧は口元に笑みをたたえている。
『命令』と彼は言った。
それで思い出すのは、やはり私を暴漢から助けてくれたお兄さんで……。
う、嘘でしょう〜?
本当に……慧があの時のお兄さんなの?
「『俺の許可なく消えるなんて許さない』」
呆然としながら呟けば、彼はにっこり笑って私の頬を撫でた。
「良くできました」
「……最初から知ってたの?言ってくれたら良かったのに」
お兄さんにまた会いたい。会ってお礼を言いたいってずっと思っていたのだ。
「正直な話、アメリカで香澄とメールやり取りしている時は、香澄の名前を見ても何も思い出さなかった」
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