最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
「それじゃあ、いつ思い出したの?」
私がまた質問すると、彼は私の隣に腰かけて説明する。
「きっかけは、会社のオフィスで香澄に初めて会った時。偶然胸元の傷が見えて、過去の記憶が蘇って……。名前が同じだったから、あの時の女の子じゃないかって思った」
最初に会った時から彼は何となく感づいていたんだ。
「確信したのは、香澄と付き合い出した夜。福井の話になって、間違いないって思った。自分のことを話そうとも思ったが、暴漢に襲われた記憶を思い出させることになるから言わなかった」
そう言えば、私が暴漢に襲われた話を慧にした時、彼は私がそのことで辛い思いをしていないか気にかけていたっけ。
「そうだったんだ」
小さく相槌を打てば、彼は私の顎を掴んだ。
「今香澄と一緒にいられれば、俺はそれで良かったんだ。でも、俺達が出会ったのは、運命だったんだって思う。香澄のことしか目に入らないから」
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