最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
慧は真剣な目で私を見つめ、キスをする。
彼と会わなかったのはほんの数日なのに、もっと長い時間経っているような気がした。
だが、藤井さんのことを思い出して、彼の胸に手を当て、キスを終わらせる。
「……ま、待って藤井さんと婚約するって話は?」
まだ問題が解決したわけではない。
藤井さんのことはどうなったのか?
「藤井の親と俺の親が勝手に暴走しただけ。相手の方には丁重にお断りしたし、俺の親にもガツンと言ってあるから」
眉間にシワを寄せ不機嫌顔になる彼の目を見つめて確認する。
「本当に?」
「本当。もっと俺のことを信頼して欲しかったな」
慧は疲れた顔で言う。
よく見ると、数日前に会った時より、顔が痩せて少し頬がこけたような気がする。
きっと私のことでいろいろ悩んで心配かけたからだ。
「……ご、ごめんなさい」
平謝りすると、彼はニヤリとした。
< 230 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop