明日こそ、キミに「好き」を届けます。

だけど、桜庭はその態度を嫌がることはなく、勢いよくイスから立ち上がると星夜の席へと一目散にいなくなった。


そんな桜庭に半分呆れながら、私はチョークで書かれた今日の日付に目を向ける。


……そういえば、桜庭を好きになったの、今日からちょうど一年前だったけ。


────

──


『なに、してんの。桜庭』


ロッカーの上に乗って、書写の時間に書いた半紙と画鋲を握りしめながら、思いきり背伸びをして腕をピンと伸ばしている桜庭。


教室にひとり残ってその作業をしている桜庭に、偶然にも遭遇してしまった私は、思わずそう声をかけた。


『あ、篠山。いや、これさっき先生に頼まれたんだよね』


『……全然届いてないけど』


そう言いながら、私はロッカーの上に山積みされている半紙を上から一枚だけ抜きとる。

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