明日こそ、キミに「好き」を届けます。
そこには、お手本のようなキレイな字で【成長】と書かれていた。
私が思わず目を丸くすると、ロッカーの上に乗っていた桜庭が下に置いていたイスを使って床に降りてきた。
『それ、俺が書いたんだぜ』
どや顔で横腹に両手を当てる彼。
『桜庭が?ウソつかなくていいよ』
『ホントだし!名前見ろよ』
促されて、渋々名前の欄を見てみれば、たしかにそこには【五年 桜庭陸翔】という文字が書かれていた。
『なっ?』
『……代筆してもらった?』
『違うし!信じろよ!』
普段の桜庭からは考えられないと思った私は、思わず代筆ではないかと疑ってしまう。
だけど、桜庭の焦りの表情をみて、そんな疑いの気持ちはすぐに晴れた。