明日こそ、キミに「好き」を届けます。

「篠山、手出して」


「ん?なに?」


促されて片手を桜庭へと向ける。


「誕生日おめでとー!」


すると、テンションMaxで手のひらに飴玉を置かれた。


「……私の誕生日、明後日なんだけど」


「知ってる。でも明後日は、日曜日で休みだから。

その前祝いしようかなーと思って」


コテンと小首を傾げて、ヘヘッと笑う桜庭。


……というか前祝い以前に、誕生日教えてたっけ。


そんなことを一瞬考えてすぐに、もらった飴玉に視線を落とす私。


「……学校ってお菓子ダメでしょ」


私が指摘すると、目の前にいる桜庭はプウッと頬を膨らませた。


「飴くらいならよくね?」


「ダメです」


「えー……、でも今さら遅いし。絵美ちゃ……、篠山持って帰ってよ」


桜庭はそういうと、強引にも机の横にかけていた私の手提げ袋にその飴玉を突っ込んだ。

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