恋しくば

……どうして部屋にあげてしまったのだろう。
数分前の自分の行動を悔やむ。

なんだかここに辻本がいることが、酷く胸を痛みつける。貴公子をこんな部屋に通してしまったことか、それとも自分と辻本の差をはっきり感じたからか。
このどちらでもあるような、ないような。

「電気消して良いか?」
「え……あ、うん」

辻本が紐を引っ張って電気を消す。近くの街灯の光が入って、部屋の中はぼんやり明るい。

「あたしさ、結構調べものしたりするの、好きなんだ」

何となく部屋の空白を埋める為に出た言葉。

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