恋しくば
「上羽と何か賭けたんでしょ? 友達だから良いと思って」
「違う」
「じゃあ何? 貧乏でバイト沢山してて、こんな部屋に住んでるあたしが可哀想に思えた?」
手を払って、電気をつける。
部屋の中が明るくなる。参考書と資料とが積み重なって出来ているタワーが目に入る。
「そんな風に思ったことはない。今もだ」
「嘘でしょ、そんなの」
「嘘じゃない」
「こんな生活してて、そう思わないなんてどうかしてる。辻本、変だよ」
そう言って、言ってから傷つけたなと思った。思ってから、もっと傷つけば良いと思った。