恋しくば

辻本のことを聞かれるのが、今は嫌だった。
そしてやっぱり頭が痛い気がする。あたしも二日酔いだろうか。

一限が終わった後、あたしたちは食堂に移動した。
百鳥が教授に用があるらしく、あたしはテーブルに残る。というか、うつ伏せになってうとうとしていた。

昨日は結局全然眠れなかった。壊した関係を思うと、こんなにも感情が荒れることを知った。

「ねえ、それってアルジェントの新作だよね? どうしたの?」
「買ってもらったー、本当は白が欲しかったんだけど」

近くのテーブルで女子たちが話をしているのが聞こえる。どこかで聞いた声な気がして、顔を上げる。

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