敵国騎士と命懸けの恋
お医者様はゆっくりと私を横たわらせると、水を飲ませてくれた。
「スープに入っていたきのこは、毒きのこだったようでな。そなたを…殺そうとしていたようだ。颯真が捕らえて地下牢に幽閉しているから、安心せよ」
「そうでしたか…」
喉をピリピリと駆け巡るあの感じ。
やっぱり毒だった。
「命を落としてもおかしくなかった。そなたは運がいい」
「はい…」
目を閉じる。
メイドが私に向けた憎しみ。直接ではないにしろ、間接的に彼女の逆鱗に私が触れたのだ。
「新しいクスリを調合してこよう。なにかあれば、颯真を呼びなさい」
「ありがとうございます」
もう声も出る。
この命は繋ぎ止めることができたらしい。
ここで助かってもどうせ…素直に運がいいとは思えなかった。