敵国騎士と命懸けの恋
「おい!無理するな!」
いつも落ち着いている颯真が珍しく慌てているものだから、痛みを忘れて笑ってしまった。
「なにがおかしい…」
「ううん。心配されて嬉しいだけです」
より深く刻まれた眉間の皺を見て、またおかしくなる。
「敵国で不安な夜、颯真さんが居てくれたから眠れました。今回のことをもし颯真さんが気にしているのなら、そのお礼だと思ってください。私は誰かに借りを作ったら返さないと気が済まない性分なのです」
「…俺はなにもしてないだろうが」
「私が飛護国王に襲われそうになった時、助けてくれたでしょう」
「あれは、からかわれていただけだって言ったろう」
「例え冗談でも、気を許していない相手の手が洋服の中に入ってきた時の嫌悪や怒りを、男性は理解しきれないと思います。無理矢理されるくらいなら、死んだ方がマシです」
「……」
だから私は一生、飛護国王を許さない。