敵国騎士と命懸けの恋

沈黙が流れた。
颯真は私から視線を外し、近くの丸椅子に腰掛けた。

彼が傍に居てくれるだけで、ひどく安心する。いずれ死ぬことになる人間にそんなことを言われては迷惑だろうと、敢えて口にはしないけれど。

少しの間でも、貴方に逢えたことは私にとっての救いだ。


「……もしも次同じ場面が訪れるのなら、必ず助ける。例え国王相手だろうと、必ずだ」


「颯真さん…」


「俺も借りは絶対に返す性分だからな」


口の端を上げて颯真が笑った。


「ありがとうございます」


私も精一杯の笑顔を浮かべる。


「それじゃぁ早速、お願いをきいてもらえますか?」


「話してみろ」


「地下牢に閉じ込められているメイドさん、解放してあげて欲しいです」


「…自分が何を言っているのか分かっているのか」


責めるような口調だ。


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