敵国騎士と命懸けの恋
それから3週間後、外出を許可された。
飛護国王が了承したとは思えずに颯真に聞くと面倒臭そうに「あの人にもそれくらいの心はある」と言われた。
帰還した飛護国王は病室には現れず、ホッとしているがお礼を言わなければとも思う。そもそも国王は私をどうするつもりだろう。もうすぐここに来て2ヶ月が経とうとしているのに、私はまだのうのうと生活している。
寝て起きて食べて、颯真とお喋りをして。そこらの国民よりも圧倒的に良い暮らしをさせてもらっているんだ。敵国の国民が必死で献上した税金のお世話になっているということだ。このままでいいはずがない…けれど、死が怖くて余計なことは言わない方が身のためだと臆病な心は逃げてしまう。最低だ。
「今夜は城下町で祭りが開かれる。俺とあんたは一般市民を装うことと、1時間以内に城に戻ることを条件に参加が許された」
「お祭りに行けるのですか?」
「ああ」
外の空気を吸えるだけでなく、楽しい場所に行ける。期待以上だけれど、違和感がある。祭りという人気の多い場所は逃げ出す機会に適していると思う。もしかしたら逃げられるチャンスが訪れるかもしれない。ーーそう思わせる罠のような気がして、急速に萎んだ期待を隠して笑う。
「とても嬉しいです。ありがとうございます」
「ああ」
いつもと同じ反応の颯真は私が逃げ出すと思っているのだろうか。