敵国騎士と命懸けの恋
颯真の方が少しばかり身長が高いというのに、国王の威圧感は圧倒的だ。無表情な颯真よりも、笑みを称えたその表情に背筋が伸びる。彼が生まれながらにもった素質なのか、それとも国王という立場がそうさせているのだろうか。
「そなたに褒美を与えよう。今夜は好きなだけ街を回ると良い。もちろん颯真以外の監視もつけない」
「自由に歩き回っても良いということですか?」
「構わないよ、七海姫」
「ありがとうございます」
ほんの僅かな自由な時間だとしても、外の空気を吸えて人々に触れられることは嬉しい。
「ただこれだけは守ってね。君が七海姫だとは絶対に他言しないことと、間違っても逃げようとはしないこと」
小さい子供に言い聞かせるような優しい声色。しかし美しいブルーの瞳が私の奥底を覗いているかのように鋭い。
「守れない場合、君は死ぬよ?…ね、颯真」
「はい」
守らないとは一言も返事していないのに、国王の問いに間髪入れずに答えた颯真を睨む。
「分かりました」
ふてくされ気味に答えてはみたけれど、久々の外の世界に心が躍る。