先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

私は箸を置き居ずまいを正して答えた。

「はい。私が中3の時に家庭教師をしていた航さんが家に来てくれたのが初めての出会いです」

その話を聞いて海斗さんが驚いて叫ぶ。

「えっ!中3!? 兄貴ってまさか…ロリコン…???」

「んなわけあるかっ!」

航さんがすかさず突っ込む。

「航、お前・・・」

お義父さんもお義母さんも疑いの目で航さんを見るから、私は焦って早口で説明した。

「あっあのっ、出会いは中3で、私の一目ぼれだったんですけど、その時は全然相手にしてもらえなかったんです。私が一方的にずっと好きで…。私の就職の時に航さんを追いかけて同じ会社に入ったんですけどその時は航さんには既に素敵な彼女さんがいて…。でも、後輩として気にかけてくれてたんです。色々あったんですけど、航さんが彼女さんと別れた後、時々会うようになって、やっぱり航さんが好きで何度も告白して、でも航さん答えをくれなくて。最近やっと航さんと想いが通じあってお付き合いするようになったんです!」

夢中になって一気に話し終えると、シーンと静まり返っていた。
ぽかんとした顔のお義父さん。にこにこのお義母さん。ニッと含み笑顔の海斗さん…。
隣を見ると片手で顔を隠す航さん。耳が少し赤い。

< 180 / 272 >

この作品をシェア

pagetop