先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

揚げ物を航さんに任せてモニターを見に行ったらみんなが待っていた。

「はい、どうぞ!上がって下さい!」

航さんみんな来ましたよ!と言って、いそいそと玄関までお迎えに行き扉を開けた。

「いらっしゃいませ!わっ!どうしたんですか?その箱!」

目を丸くして見たら小山さんと浅野さんがビールの箱を抱えていて、水沢さんもお酒の入ったビニール袋を両手に持っていた。

「「おじゃましま~す!」」

スタスタとリビングに向かう面々に唖然。

「ほんと、どんだけ飲むつもりなのかしらね~」

西川さんは呆れ顔。

「はいこれ。小野田部長から。今日来れないから渡してくれって」

「わあ、ありがとうございます!部長も来れたら良かったのに…」

紙袋を受け取り中を覗くと高級そうなシャンパンの箱が見えた。もうひとつ箱がある。

「おじゃましま~す!花笑さんケーキも買って来ましたよ!楽しみにしててくださいね!」

「いらっしゃい、ありがとう知佳ちゃん。さ、西川さんも中へどうぞ」

リビングに行くと、キッチンにみんながワイワイ集まって航さんを囲って興味深く覗いている。

「山片さんが寿司握ってる~!!」

「えっお寿司!?」

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