【完】さつきあめ
「ふっ、ほんとにさくらちゃんは曇りのない言葉使うよね。
レイはずっと光の特別な人になりたかったの。どんなことがあっても、絶対切れない絆みたいなのが欲しかった。
それが無理だって頭ではわかってるから、シャインで1番になったら光はレイを好きになってくれるんじゃないかって期待したり、頑張ったら付き合えるんじゃないかってずっとずっと頑張ってきたんだよ。ただ…光だけのために」
光の妹になりたい。この時のレイの言葉を、わたしは全然理解出来ていなかった。
人を好きになったことがなければ、恋愛の経験さえないわたしにとって、光を好きになって、光もわたしを好きになってくれたら、恋人同士になる。そんな安易な考えしか思い浮かばなかったからだ。
いつかこの時言っていたレイの言葉を思い知るのは、もう少し後になってからだった。
天井を見つめていたレイの瞳からはらはらと涙がつたう。
長い睫毛の大きな瞳を、音もなくつーっと涙だけが濡らしていく。
お店で接客しているレイより、どんなレイより綺麗だと思ってしまった。
「でも、光にはずっと好きだった人がいた…」
今度はわたしが泣きそうだ。
恋人がいるの?と聞けばおちゃらけて「いないよ~」なんて言うに違いない。
あの、いつもの調子で。けれど拒まれた日から何となく予想はしていた。
光には、心に思う大切な人がいるということに。
「本当は無理だってわかってたんだけどなぁ~…」
独り言のようにぼそりと呟く。
そしてすぐ横を見て、わたしの顔を覗いた。
「さくらちゃんってね、昔の光に似てるの!」
「え?あたしが?まさか、全然似てない」
「ううん、似てる。その人の持つオーラっていうか、全体的な雰囲気がすごく似てる。
だからレイは怖かったよ、さくらちゃんと光は絶対にそのうち惹かれ合うって、光からさくらちゃんの話を聞いた時から」
「そんなこと…ない…」
レイはずっと光の特別な人になりたかったの。どんなことがあっても、絶対切れない絆みたいなのが欲しかった。
それが無理だって頭ではわかってるから、シャインで1番になったら光はレイを好きになってくれるんじゃないかって期待したり、頑張ったら付き合えるんじゃないかってずっとずっと頑張ってきたんだよ。ただ…光だけのために」
光の妹になりたい。この時のレイの言葉を、わたしは全然理解出来ていなかった。
人を好きになったことがなければ、恋愛の経験さえないわたしにとって、光を好きになって、光もわたしを好きになってくれたら、恋人同士になる。そんな安易な考えしか思い浮かばなかったからだ。
いつかこの時言っていたレイの言葉を思い知るのは、もう少し後になってからだった。
天井を見つめていたレイの瞳からはらはらと涙がつたう。
長い睫毛の大きな瞳を、音もなくつーっと涙だけが濡らしていく。
お店で接客しているレイより、どんなレイより綺麗だと思ってしまった。
「でも、光にはずっと好きだった人がいた…」
今度はわたしが泣きそうだ。
恋人がいるの?と聞けばおちゃらけて「いないよ~」なんて言うに違いない。
あの、いつもの調子で。けれど拒まれた日から何となく予想はしていた。
光には、心に思う大切な人がいるということに。
「本当は無理だってわかってたんだけどなぁ~…」
独り言のようにぼそりと呟く。
そしてすぐ横を見て、わたしの顔を覗いた。
「さくらちゃんってね、昔の光に似てるの!」
「え?あたしが?まさか、全然似てない」
「ううん、似てる。その人の持つオーラっていうか、全体的な雰囲気がすごく似てる。
だからレイは怖かったよ、さくらちゃんと光は絶対にそのうち惹かれ合うって、光からさくらちゃんの話を聞いた時から」
「そんなこと…ない…」