【完】さつきあめ
どっちが悪い、と言い合いをしていたら、お店の片づけをしてる従業員はえらく迷惑そうに私たちを見た。
痺れをきかせた遥が、涼に「送っていってやれよ」と言った。
「マジでー?!何で俺もー…」
「当たり前じゃん!あたし1人で宮沢さんの事運べるわけないじゃん!」
「帰って寝たいよー」
「文句言わないの!遥さんとりあえずタクシー呼んで、お会計お願いします」
「あ、お金はいいよ。宮沢さんが払ってるから」
いつの間に…。
すぅすぅ寝息を立てる朝日を見つめる。
自分の誕生日だっていうのに、この人は…。
遥はタクシーを呼んだ後、寝ている朝日をちらっと見て、わたしへ微笑みかけた。
「宮沢さんってあんな楽しそうに笑うんだね。
昔から知ってるけど、いっつもムスッとしてるから意外だったわ」
「いや、いっつもムスッとして不愛想な人ですけど…」
ははは、と遥が面白そうに笑った。
ちょうど涼の帰る準備を終えて、2人で朝日の肩を抱えてお店を出た。
オートロックの解除の方法がわからなかったから、遅くに悪いかとは思ったけれど由真に電話をした。
由真は起きていたらしく呆れながら「またか」と言いながらオートロックの番号を教えてくれた。