【完】さつきあめ

「美優ちゃん!」

「あ、さくらおはよう~!」

「美優ちゃんお昼の仕事辞めたって!レギュラーで仕事に入るって!」

「そぉなの!よろしくね~!へへ。本職キャバ嬢って感じぃ~?」

「本職キャバ嬢って感じじゃないよ!美優ちゃんには夢があるんでしょ?」

出会ったばかりの頃、美優には夢があると言っていた。
その為に昼と夜の仕事を掛け持ちしてると。

「うん!あたし実は来年から美容系の専門学校に行くことが決まったの!
あたしの夢、さくらを綺麗にしたみたいにメイクで色々な人を綺麗にしたいの!そのために昼と夜を掛け持ちして、やっとお金がたまったの~!」

「じゃあ何で夜の仕事でレギュラーって…」

「あたしも、キャバ嬢として七色グループにいる間はさくらの夢を応援してあげたいからだよ」

いつもと変わらない、にこやかな微笑みを美優は見せた。

「さくらの夢は、七色グループでナンバー1になる事でしょ?
THREEだけじゃなくて、七色で1番になること」

「何で?」

「何となく。七色の全体で1番になる覚悟がなきゃこんなに頑張れないよ~!
あたしはさくら自身が好きなの!さくらの夢に向かってひたむきに頑張る姿は違う夢を追いかけているあたしにもいい刺激になったよ!
だからさくらの夢が叶う事も応援したいし、そのためには土台である七色自体がなくっちゃ~ね!
昔のさくらなら、社長についていくと思ってた。
でも今のさくらは違う。さくらの全ては社長だけじゃないと思うから」

「美優ちゃん…」

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