何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
『ーー落ち着いて聞いてね。悠が交通事故に遭って、救急車で病院に運ばれたの』
想像を遥かに超えていた、ただごとではない事実。瞬時に頭が真っ白になる。
ーー悠が? 悠が、交通事故? 救急車で病院に運ばれたって?
嘘でしょ?
『怪我の状況はまだ私たちにもよくわからないの。今は集中治療室で手術を受けているわ』
茫然自失とする私に、彼のお母さんは説明する。淡々と冷静に話しているように聞こえたが、ところどころ声が震えているのが分かり、彼女からも動揺の気配を感じられた。
「どこ……なんですか?」
『え?』
「悠が運ばれたっていう病院……どこなんですか?」
卒倒しそうになりそうなのを堪えて、私はなんとか彼のお母さんにそう質問した。
悠が大怪我をしているのなら、行かなければ。ちゃんと近くで見守って、応援しなきゃ。
『大泉中央病院よ。ーーでも、悠は今集中治療室にいるから、せっかく来てもらっても、会うことは……』
「いいんです! 近くにいたいんです!」
悠のお母さんの言葉に半ば被せるように、私は早口で言った。
「とにかくすぐに向かいますから!」
『え!? あ、ちょっ……』
電話口から何か聞こえてきたような気がしたけれど、気にしている時間がもったいない。
私は急いで電話を切って、駆け足で大泉中央病院へと向かった。