何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
幸いにも、怪我の具合はそこまで心配ないようだし。

それにお父さんとお母さんの2人で、話したいこともあるだろう。私がいては都合が悪いこともあるかもしれない。

大切な人の家族に、迷惑をかけちゃいけないよね。


「わかりました。私はいったん家へ帰ります。ーー悠くんのお母さん、連絡先を交換していただけますか?」

「もちろんよ。何かあれば、すぐにあなたに連絡するわ」


こうして私は、悠のお母さんと連絡先を交換した後、重い足取りで帰路に着いた。

お母さんは夜勤で不在だったので、私は悠のことをぼんやり考えながら1人で冷蔵庫に入っていた夕飯を食べた。

食欲なんて、ほとんどわかなかったので、少し箸をつけただけで残してしまったけれど。

そして入浴後、布団に潜り込んだけれど、眠気はまったく訪れない。こんな状況で眠れるはずなんてない。

そして私はその夜、一睡も出来なかった。

悠のお母さんからは、朝まで何の連絡もなかった。
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