何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
そして身支度を終えた頃、『私もお見舞い行きたいんだけど、一緒に行っていい?』という詩織からのメッセージを受信した。

私は「もちろん! 9時前に大泉中央病院の入口に来てくれる?」と詩織に返信し、自宅を出て病院へと向かった。







「精密検査の結果も問題ないって」

「そうなの!? よかったねえー、桜!」

「ーーうん。ありがとう、詩織」


病院に着いて詩織と合流した直後、悠のお母さんから『精密検査の結果も問題ありませんでした。でも、しばらくの入院は必要みたいです』という連絡が来た。

ーー本当に、悠が無事でよかった。彼が事故に遭った、と聞かされたときの絶望感と比べると、信じられないくらいの幸せを感じられた。

ああ、早く会いたいなあ。

はやる気持ちを抑えつつも、悠の病室へと向かう。彼のお母さんの情報によると、すでに一般病棟に移っていて305号室にいるとの事。

病室の前に詩織とたどり着き、軽くノックをしてからドアを開けた。ーーすると、中には。

悠が寝ているベッドの傍らに立つ、彼のお母さんと、小学校高学年くらいの男の子。

悠をそのまんまミニサイズにしたような容姿なので、彼の弟だということが瞬時に分かった。

そして、悠の近くにはもう1人。私と同い年くらいの見知らぬ女の子だった。
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