何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
ふわふわの髪をツインテールにした色白の彼女は、甘いキャンディのように可愛らしい子だった。

白いシフォンワンピースに包まれた細くて小柄な肢体は、女である私ですら庇護欲を掻き立てられる。

大きな瞳がどことなく悠に似ている。彼の親戚の女の子なのかもしれない。彼女が、以前に彼が仲がいいと言っていた従姉妹のような気がした。

そしてもちろん、私が会いたくて、話をしたくて堪らなかった悠も病室内にいた。

悠はきょとんとした顔で、こちらを見ていた。頬に貼られた白い絆創膏が痛々しい。骨折したらしい左脚にはギプスがはめられていた。

ーー悠の表情に、なにか違和感があった。いつもと雰囲気が違う。整ったかっこいい顔は、普段通りだけれど。

いつも私に向けてくれる、優しく包み込むような穏やかな表情は、見られなかった。まるで見知らぬ他人に向けるような、よそよそしさが感じられる。

私は不安になった。だけど、大きな事故にあったのだから、普段と違うところがあっても無理もないかもしれない。


「桜ちゃん、おはよう。もう来てくれたのね」


私が悠に声をかける前に、悠のお母さんが笑顔で迎えてくれた。昨日より和らいでいる彼女の表情。悠の意識が戻って、安心したのだろう。
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