何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
「おはようございます。連絡ありがとうございました。ーーあ、悠くんのこと心配してた友達も連れてきちゃいました」


言いながら、詩織に目配せをする。詩織は「初めまして、悠くんのクラスメイトの横田詩織です」と無難に自己紹介した。


「あら、ありがとうね。二人とも。ーーよかったわね、悠。2人も友達が来てくれて」


私たちが会話をしている間、不思議そうな視線を私に送っていた悠。お母さんに話しかけられ、はっとした顔をする。

ーーそして。



「ーーあの。横田さんは知ってるんだけどさ。ーーその」


悠はそこでいったん言葉を止めたあと、気まずそうな顔をしてこう言った。


「君は、誰?」


ーー一瞬何を言われたのか分からなかった。眉をひそめた悠が発した言葉は、私に向けられたものなのだろうか。


「え……?」


混乱して、たったそれだけしか言えなかった。悠のお母さんが目を見開いて私を見ている。ツインテールの女の子は、なぜか不敵に笑っていた。


「ちょ、ちょっと! 何言ってるの中井くん! 桜だよ!? 折原桜! 中井くんの彼女でしょう!?」


絶句する私の代わりに、詩織が悠に訴えてくれた。しかし悠は腑に落ちないような顔をする。
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