何度記憶をなくしても、きみに好きと伝えるよ。
*
悠の自宅のリビングは相変わらずこざっぱりとしたいた。
だけど、テーブルの上に使用済みと思われるコップがあったり、ソファの上には折り込み広告が置かれたりしていて、前回よりは雑然とした様子があった。
きっと、悠の入院という大変なことがあったから、彼のお母さんも片付ける暇がなかったのだろう。
「適当に座ってよ。何か飲む? オレンジジュースと麦茶くらいしか、俺用意出来ないけど」
キッチンの冷蔵庫を開けてこちらを見ずに悠の弟ーー奏くんは言った。
小学6年生と言ったけれど、来客に対して飲み物を出す気遣いができる小学生なんて、どれくらいいるのだろうか。
年齢の割に、やっぱりしっかりしている。きっとご両親の教育の賜物だろう。
「ありがとう。私は麦茶をお願いします」
「私オレンジジュースで!」
ソファに腰をかけて、私と詩織は奏くんに希望を伝えた。
すると、急に足元にふわりとした感触を覚え、私はびくりとする。
ふわふわの正体を確かめるために足元を除くと、そこにはーー。
「ーートラ子」
トラ子は私の足首に頬を擦り寄せていた。
悠の自宅のリビングは相変わらずこざっぱりとしたいた。
だけど、テーブルの上に使用済みと思われるコップがあったり、ソファの上には折り込み広告が置かれたりしていて、前回よりは雑然とした様子があった。
きっと、悠の入院という大変なことがあったから、彼のお母さんも片付ける暇がなかったのだろう。
「適当に座ってよ。何か飲む? オレンジジュースと麦茶くらいしか、俺用意出来ないけど」
キッチンの冷蔵庫を開けてこちらを見ずに悠の弟ーー奏くんは言った。
小学6年生と言ったけれど、来客に対して飲み物を出す気遣いができる小学生なんて、どれくらいいるのだろうか。
年齢の割に、やっぱりしっかりしている。きっとご両親の教育の賜物だろう。
「ありがとう。私は麦茶をお願いします」
「私オレンジジュースで!」
ソファに腰をかけて、私と詩織は奏くんに希望を伝えた。
すると、急に足元にふわりとした感触を覚え、私はびくりとする。
ふわふわの正体を確かめるために足元を除くと、そこにはーー。
「ーートラ子」
トラ子は私の足首に頬を擦り寄せていた。